作業療法士はオワコン!?実際のところを徹底解説

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悩む人

作業療法士は、もうオワコンかも…

作業療法士の供給過多になり、この職業がオワコン、つまり時代遅れになるという声が聞かれることが少なくありません。

しかし、果たしてそれは真実でしょうか。

実際に普段この仕事に携わり働いている者としては非常に悲しくなりますが、実際にそう考える人も一定数いるはずです。

では、なぜオワコンと考える人がいるのでしょうか?

本記事では以下のことを説明します。

本記事でわかること

  • 実際、本当にオワコン?
  • オワコンと言われる理由
  • オワコン状態を改善する方法
この記事を書いた人
まこまるのアイコンです

OTまこまる(@OT_MAKO)

職業:作業療法士

作業療法士を10年経験

●転職回数:2回

●病院や老健、デイサービスに従事した経験あり

●学会発表、勉強会への参加したことをもとに発信

目次

作業療法士は本当にオワコン?10年働いて思うこと

10年働いてみて思うことを可愛らしく表現してみました。

私は、作業療法士として10年間、病院や施設に勤めてきました。

実際に働いてみて思うことですが、オワコンとは思いません。

その理由を以下で詳しく解説しました。

⒈専門的な知識や技術が身につく

作業療法士として働くためには、多くの知識が求められます。

解剖学や生理学、運動学などの基礎的な科目から、人間の発達や身体的、精神的な障害に対する理解に至るまで、非常に広範囲の知識が必要です。

さまざまな知識を身につけることが、患者様一人ひとりの症状や状況に最適な対応ができる専門職としての基盤を作り上げます。

確かに、そのよう多彩な知識を習得する道は困難なことが多いです。

また、初めて実際の現場で働き出すという経験は、極めて厳しいチャレンジとなることでしょう。

しかし、膨大な学びや出会ってくる難題と向き合う中で、徐々に専門性を深め、磨き上げていく過程が訪れます。

それは、理学療法士・作業療法士としての技術だけでなく、専門家としての人間性や視点も育むことにつながります。

自己啓発や経験の積み重ねを通じて、豊富な知識を自己のものとすることが可能です。

そして、その知識や経験が技術の向上につながり、より高品質なケアや治療を提供する力となる。

専門知識は、現場での仕事にだけ役立つものではありません。

日常生活の中でもその恩恵を受けることができます。

たとえば、家族が股関節を痛めたとします。

その時には、理学療法士や作業療法士としてのスキルを生かして、適切な自主トレーニングや家庭でのケア、予防策を提案することができます。

そうした時には、あなたの存在は家族にとって何よりも頼りになります。

専門家としての知識と経験が、家族全員の生活をより良いものにしていくことが期待できます。

⒉患者様から感謝される

作業療法士として活動を続ける中で、特に心に残るのは患者様からの感謝された時です。

それらは日頃の努力の成果であり、自分自身が一生懸命に働いてよかったと感じることができます。

どこで働いていても、感謝される瞬間には何をおいてもやりがいを感じます。

まこまる

だからこそ、さらに頑張ってしまいますね。

一人ひとりの患者様が抱える壁に、最善の方法で対応するため、働き続けます。

一言でいえば、「感謝されると励みになる」というのが基本的なモチベーションです。

心からの感謝の言葉をいただくと、自分のスキルアップや成長を実感することができます。

それは、自分が正しい道を歩み自分の努力が認められている証です。

与えられた課題を効果的に解決できていることを示します。

その結果として頂く感謝の言葉は、私たち専門家にとって最大の喜びとなり、更なる成長を促す原動力です。

このような体験を通じて、より多くの患者様を助け、より多くの感謝の言葉を頂くために必要なスキルや資質が何であるかを見極め、それを磨くことで、自身のモチベーションを常に高めています。

⒊コミュニケーション能力が高まる

作業療法士として活躍する中で不可欠となるスキルの一つが、本格的なコミュニケーション能力です。

患者様、そのご家族、さらには他の医療職員との相互理解と共感を深めることで、最適な治療計画を立案し、患者様のQOL(生活の質)の向上に寄与するためのアプローチを見つけ出すことが出来ます。

誤解を招かないために先に述べておきますが、ここでいうのは決して流暢な話術だけを指すのではありません。

それ以上に重要なのは、相手の意見や感情を真摯に受け止める聞き手としてのスキル、そして適切なフィードバックを返す能力です。

これらもまた、コミュニケーションの本質といえるでしょう。

もし、自分の人間力に自信がないという方がいらっしゃったとしても、心配は不要です。

なぜなら、コミュニケーション能力は誰もが持っている可能性であり、日々の経験や実践を通じて着実に伸ばしていくことが可能だからです。

独学やトライアンドエラーを重ねることで、見違えるような自己成長は約束されているといっても過言ではありません。

また、作業療法士はカンファレンスに出席し、患者様の状況などをより深く理解し、それを他職種に伝える責任があります。

これにより、必然的にプレゼンテーションスキルも鍛えられ、人前で発表する際の自信や表現力も向上します。

これは、現代社会において求められるコミュニケーションキャパシティと大きくかぶる部分がありますので、得られたスキルは他の職場や人間関係においても生かすことが可能です。

上記したように作業療法士の業務は、個々のスキルアップにもつながり、またその成果が患者様の今後の生活に直結していきます。

これこそが、この仕事が持つ大きな魅力の一つではないでしょうか。

⒋社会人の平均年収がもらえる

私は作業療法士として得ている年収は、一般的な会社員と比較して大きく変わらない水準です。

その理由は、作業療法士という職業が国家資格であり、それに見合った報酬が支払われているからです。

この背景には、近年高齢化社会の進行に伴い、高齢者や障害者のリハビリテーションニーズが増大しているという社会的な状況があります。

それに対応すべく、作業療法士の専門性と経験が求められ、その価値は年収へと反映されています。

我が家では、私だけでなく妻も作業療法士として働いています。

このため、生活に関しては比較的余裕を持ちつつ暮らしています。

当然、2人とも同じ専門職であるために収入が二重になるというメリットや、それぞれが相互に理解しあい、支え合いながら日々の業務に取り組めています。

作業療法士は、なぜオワコンと言われる?

なぜオワコンと言われるのか?という見出しに対して、言われているという点を強調した画像を貼っています。

なぜ、作業療法士はオワコンと言われるのでしょうか?

作業療法士がオワコンと言われる原因には、様々なものがあります。

ここではオワコンと言われる原因を解説します。

ただし、これは一部の意見であり必ずしも全ての人に共通することではありません。

⒈昇給が少ない

作業療法士として働いていると、給与の昇給があまり期待できないという事実に直面します。

この現象は、経験年数や技術に応じた給与の調整や、勤務先の病院や施設による差異だけでは説明できません。

では、何が原因でしょうか。

その一因として見られるのが、国全体の医療業界が直面する賃金の問題です。

特に、国の医療費抑制政策や病院経営の厳しさが、医療従事者の給与に影響を及ぼしています。

こうした背景は、理学療法士や作業療法士といった専門職の給与にも間接的に影響を与えており、固定的な昇給が難しい状況を作り出していると捉えることができます。

もう一つの要因として挙げられるのは、作業療法士の専門性や技術の評価問題です。

これらの職種は高度な専門知識や技術が求められる一方で、それが給与へ十分に反映されていないという問題が指摘されています。

患者様のために自己研鑽を重ね、専門性を高めることでより良い治療を提供するという努力が、給与の形で認められず、物質的な報酬が得られないという構造が存在しているのです。

“やりがい搾取”とも表現されるこの現象は、専門職としての自己成長や能力向上を目指す理学療法士や作業療法士のモチベーションを奪うことにもなります。

それだけでなく、この問題は将来的に業界全体への影響をもたらす可能性も秘めています。

具体的には、物質的な報酬が伴わないという事実が若者の理学療法士や作業療法士への希望を阻害し、新たな人材の流入を阻止する恐れがあるといえます。

また、給与の問題が続くと持続的に専門性を磨き続けられる環境が整わないと、現場のサービス品質も低下しかねないという問題もあります。

こうした問題が長期化すれば、社会全体が必要とする良質な医療サービスの提供が困難となる可能性も生まれます。

このように、給与問題は理学療法士や作業療法士だけの問題ではなく、医療を必要とする社会全体にとっても重要なテーマと言わざるを得ません。

⒉将来性

AIの普及によって仕事が自動化され、失われるという懸念は常に存在しますが作業療法士に関しては、そのリスクは少ないです。

なぜなら、人間の感覚や直感、そして豊富な経験に基づく判断が必要です。

それをAI技術が凌駕する日はまだ遠いことが考えられるからです。

しかし、一方で作業療法士の中にある別の問題に目を向ける必要性があります。

年々増え続ける作業療法士の数、現状で約1万人にのぼるとされています。

資格の価値が低下する可能性があります。

なぜなら、数が増え、国家資格が手に入りやすくなればなるほど、それが希少数となり、需要と供給のバランスが崩れ始めます。

価値が低下するという市場の法則から逃れることが難しくなるからです。

希少性が薄れ、需要が過剰に増えた状況は、停滞してしまった作業療法士にとって、苦しい現実をもたらすでしょう。

まこまる

そのリスクを防ぐためには、自己研鑽を続け職域の拡大をしていくことが求められます。

結論を言えば、作業療法士は、AIによる仕事の奪取からは安全かもしれません。

しかし、常に進化し続ける必要性は高そうですね。

⒊病院の中でのリハビリ職の立ち位置

作業療法士として働く我々は、病院組織内での評価が必ずしも高いとは言えません。

病院のスタッフ間で地位が高いとされるのは、診断や治療といった直接的な医療行為を行う医師や看護師です。

そういった視点から見れば、我々リハビリ職の存在感は比較的小さいです。

しかし、それは決して下に見られているという意味ではありません。

病院内での役割の違いがそうさせているだけでしょう。

医師が病気の診断や治療を行う一方で、我々はその治療の一部を担い、患者さんが元の生活に戻るための支援を行っています。

それぞれが異なる役割を果たし、ともに患者さんの健康を支えているのです。

この地位の低さと感じられる現状からくる課題としては、リハビリ職が雑用的な業務に当たることがある点です。

特に、人手不足の職場では、おむつ交換や離床支援などのケアに時間とエネルギーを取られ、専門的なリハビリを提供できない状況に陥ることもあるのが現状です。

しかし、我々がレベルの高いリハビリを患者さんに提供するためには、この状況を打破する必要があります。

患者さんへのケア工程をリハビリ職が行うことが本来の業務から逸脱するという考え方自体が、リハビリ職の立ち位置を低く見せる原因ともなっています。

我々が提供すべきは、患者さんの日常生活の質を向上させる専門的なリハビリであり、それが自分たちの存在価値を高め、病院内での立ち位置を強化する一助となるでしょう。

この状況は、一見、リハビリ職が 病院内で低い立ち位置に置かれていると捉えられがちですが、実はその背後には病院の運営形態や働く人々の意識、そして社会全体の医療に対する認識や価値観が影響を与えているのです。

この問題に取り組むことが我々リハビリ職に求められる課題であり、そこに立ち向かうことが、今後の職業人としての成長につながるでしょう。

理学療法士・作業療法士がオワコンを脱却するためにすること

オワコンを脱却するためにここでは対策を上げていきます。その対策がいくつかあるのでアイデアを示す写真を添付しています。

⒈副業して稼ぐ

副業に挑むことは、私たちが自分の時間やスキルを有効活用して収益を上げる素晴らしい機会だと言えます。

1日のアルバイトだけでなく、YouTubeやブログの運用といった様々な方法で副収入を得る手段が増えてきています。

現代社会において、それらの活動に手を伸ばすことは、経済的自立やスキルアップの観点からも非常に効果的です。

副業を選ぶ際には、自分の興味や能力を考慮した上で選ぶことが大切です。

例えば、趣味の一環として始められるブログ作成やYouTube制作は、自己表現や自己啓発の機会としても利用できます。

また、能力やスキルに自信があれば、そのエリアでの専門的なコンサルティングや指導、レッスン提供なども良い選択かもしれません。

また、副業はリスクが低いため、新しいことに挑戦するのに最適な場です。

落ち込んだときでも、主たる収入源があるため、挑戦を止めることなく反省点を見つけたり、スキルを磨いたりすることができます。

副業で得た収益をさらに投資に回すことで、より大きな利益を得る可能性もあります。

しかし、副業に時間を割くということは、それだけ自分自身に負担をかけることでもあります。そのため、現在の職における体力的、精神的な負担とのバランスをしっかりと見極めることも必要不可欠です。

理学療法士や作業療法士など携わる仕事が身体的・精神的にハードな場合、適切なタイミングで副業を行うことが求められます。

具体的な職業に関係なく、私たちは年金受給まで働き続けることは避けられないかもしれません。

その中で副業を含む複数の収入源を確保することは、将来的に独立した生活を手に入れるための一つの策となりえます。

副業により得た収益を上手く活用し、コツコツ努力をすることで、いずれは自分だけのビジネスを持つことも可能になるかもしれません。

そうすれば、自己実現の可能性が広がり、たとえ主業を離れても進むべき道が見えてくるでしょう。

副業はあくまでその一つの手段であり、自分の人生を豊かにするための道具と考えてみてください。

以下の記事では、『作業療法士におすすめの副業5選』と題して2023年におすすめの副業を紹介しています。

⒉転職して給料と見合うところで働く

誰しもが理想とするワークライフバランス。

しかし、現実はその理想と逆行し、精神的な余裕が持てないほどの仕事量や職場環境にあります。

一部の人たちは、自分自身の働き方を変えることを選択し、厳しい現実を乗り越えようと努力しているかもしれません。

しかし、仕事がキツいと感じる原因は、たとえば結婚や育児などのライフイベントと並行して働くことの難しさを見据えた上での考え方でもあります。

ライフイベントと仕事を両立するためには、予め自身の働き方を考え直し、働く環境を整えることが重要です。

あなたが仕事内容や仕事量に悩んでいる今こそ、転職を検討する絶好のタイミングです。それは自己成長のための新たな挑戦であり、ライフイベントを見据え、それに伴うストレスから解放される機会でもあります。

勿論、転職には勇気が必要ですが、その背後に希望が見える可能性もあります。先の見えぬ不安よりも、生活や自己成長を充実させる確かな手段として捉えられるでしょう。

転職を決めることで、あなたのライフスタイルはより豊かでバランスの取れたものに変わります。精神的な余裕が生まれ、気持ちにも余裕が生まれることでしょう。

転職はあなたの人生を豊かにし、幸せをもたらす改革の一つです。

一歩を踏み出すことこそが、自身の夢をかなえるための第一歩です。思い浮かんだらすぐに行動に移しましょう。

以下の記事では、『リハビリ職の転職サイトを厳選!』と題してリハビリ職におすすめの転職サイトを紹介しています。

作業療法士はもうオワコン⁈記事のまとめ

最後のまとめを表した図です。

作業療法士に対して「オワコン」という言葉を耳にすることもあるでしょう。

しかし、それは一部の表面的な見方に過ぎません。

実際には、この職種には人々の健康と向き合う充実感ややりがいがあります。

高齢化社会が進む中で、身体機能の回復や日常生活の軽減を支える彼らの役割は、これからさらに成長していくと言えます。

特に日本のような高齢者人口が増え続ける国では、リハビリテーションの需要は増大する一方です。

こうした視点から見れば、作業療法士が「オワコン」とは到底言えません。

ただ、一方で問題視されるべき点もあります。

それは、療法士の資格取得者が増え続ける現状で、その資格そのものの価値が希薄化しつつあるという問題です。

確かに、これは一種のジレンマとも言えます。

しかし、これは他の職種でも同様に見受けられる現象です。

医療の現場でも慢性的な人手不足が課題となっていますが、それが療法士に限った問題ではないのです。

では、どうすればこの問題に対応できるのでしょうか。

答えは一つ、それは自己啓発です。

現在のスキルや知識に満足せず、常に新たな学びを求めて進むことです。

副業をすることで、スキルを磨くことも可能です。

また、新しいフィールドへの挑戦として転職を考えることも一つの方法です。

ただし、転職を考える場合は、自分自身が何を求め、どのように働きたいのか、そのビジョンが明確でなければなりません。

以上のように、作業療法士という職種が「オワコン」であるとする視点は、一面の見方に過ぎません。

医療従事者としての役割とやりがい、そして未来への取り組みについて、真剣に考えることが必要と言えるでしょう。

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