『リハ職辞めたいなぁ』と思う時は誰しもあるはず。
リハビリ職を辞めたいと思う理由とは、人それぞれです。
毎日辛いことがある
給料が上がらない…
その人の価値観によって考え方は変わりますが、きっと上記のことを考えた人がいるのではないでしょうか?
しかし、見方や考え方を変えるだけでリハビリ職を辞めずに済みます。
本記事でわかること
- リハビリ職を辞めたいと思う理由
- 今の職場を辞めた後、働く環境について
- 今、どうしても辞められない時の気持ちの整え方
OTまこまる(@OT_MAKO)
●転職回数:2回
●病院や老健、デイサービスに従事した経験あり
●学会発表、勉強会への参加したことをもとに発信
リハビリ職を辞めたいと思う理由
ここからはリハビリ職を辞めたいと思う理由について自分の体験談も含めて記載しています。
給料が変わらない
私は、現在10年目の作業療法士です。
しかし、10年間働いても給料が大きく変わることはありませんでした。
3年目の時に転職をしていますが、転職前・転職後で比較しても給料は大きく変わっていません。
私自身、転職の際に給料をあげたいと思って、転職したわけでは無いので仕方がありませんでした。
20代前半の頃には30代でもらえるくらいの給料をもらえていました。
周囲の会社に勤めている友人よりも給料の額が大きかったことを覚えています。
しかし、毎年3,000円ほどしか昇給しないため昇給額は、ほぼ税金で引かれるようになっています。
安定していますが、病院で働いてもずーっと変わらないのが現実です。
人間関係がしんどい
リバビリの仕事は人間関係で成り立つようになっています。
人間関係がうまくいかないと仕事がうまくいかないのは大前提として考えても良いことでしょう。
では、どのような人間関係があるのでしょう?
1つ目は、『リハ職同士の人間関係』です。
リハ職ですと、いろんな人がいます。
今まで「この人、少し変わってるなぁ」と思うことも何回もありました。
技術職だからでしょうか?
例えば、
●臨床業務に夢中で普段絶対やらないといけないことはほったらかし。
●専門知識でマウント取ろうとする人。
●臨床技術ができるからといって偉そうにする人
上記した方は、ほんの一部分です。
そういった方と関わることってとてもしんどいですよね。
自分は少し距離を置くようにしています。
2つ目は『他職種間での人間関係』です。
『チーム医療』と言われるように他職種で協力してやっていかなければいけません。
一般的には、Dr、Ns、PT、OT、ST、CW、SWで成り立つようになっています。
他職種で患者様により良いものを提供する上で一番しんどいのは意見の食い違いが起きる時です。
食い違いが起きた時は、必ず衝突します。
できれば、避けたいところであり、そのことが原因で辞めてしまうと悲しいです。
最後3つ目は、『患者様との人間関係』です。
私たちの職業は、患者様あっての仕事になります。
患者様との信頼関係を築けるか築けないかでその後のリハビリの進捗状況も変わります。
信頼関係をうまく築ける方は問題ありませんが、新人や若手の頃には患者様からの拒否は一度は経験するものです。
拒否された時といえば、とても悲しくなります。
私の場合、何日も夜眠れなかったことや朝仕事に行くのが億劫になったことを何度も経験してきました。
それらを経験したことで、たくさんの学びや気づきがありました。
ですが、できれば拒否されずにうまく関係性を築きたいものですね。
業務量が多すぎる
リハビリ職は普段の臨床業務と書類業務に分かれており、業務量がとても多すぎます。
しかも、職場によっては21単位取ることを強制されているところもあるみたいです。
その場合、朝から夕方の17時まで臨床業務を行い、それから書類業務を行うとなると、なかなか時間確保が難しいです。
もし、業務量が多すぎて間に合ってない場合は、ワークライフバランスを見直しても良いかもしれません。
頼れる上司がいない
入職して1年目の頃は、自分から聞きにくいものです。
新人指導がない職場ですと、上司にどんなことを聞いて良いのかわかりません。
私も、新人の頃はとても苦しかったです。
患者様のことでわからないことが山程ありました。
しかし、それらの情報収集をするためにどうやって聞いて良いのか全くわかりませんでした。
そのことが悪循環を及ぼして、上司からすると”わかってないのに聞きに来ないやつ”というレッテルを貼られるのです。
しっかり新人プログラムがなされていない職場は、上司と新人の間でギャップができてしまう恐れがあります。
ギャップを埋めることができないとなかなか作業療法士としてのキャリアアップは難しいです。
ですから私の場合は、新人指導が熱心なところに転職しました。
この先やっていく自信がない
あなたが今の職場で10年後、20年後やっていけると思いますか?
「はい」と答えられるなら、きっと今はうまくいくでしょう。
しかし、今将来に不安があるのなら一度職場を考え直しても良いかもしれません。。
なぜなら、転職は早ければ早いほど良いです。
給料は上の項で記載したように大きく変わることはありませんが、有給の数や職場での立ち位置は変わってくるものです。
今の職場を辞めた後、働く環境について
今の職場を辞めて、「働く場所がない」や「自分なんて他ではやっていけない」と思うこともあるかもしれません。
私も転職する前にそんなことを考えていた時期がありました。
しかし、候補をリサーチしておくことで自分がやっていけそうなジャンルも見えてくるはずです。
働けるジャンルをピックアップしていますので、参考にしてください。
急性期病院
急性期病院は発症して、間もない患者様を担当するところです。
リハビリの提供というよりは、生命維持しながらバイタル確認し可能であれば離床するというイメージです。
患者様との関わる時間も短く、1〜2週間で転院や退院する人が多くなります。
【急性期病院で働くメリット】
- 短期間のみの関わりとなる
- 高いスキルを提供しないといけないので、自己研鑽できる
- 医師の指示を仰ぎやすい
【急性期病院で働くデメリット】
- 「これから良くなる」という時に自分が担当から外れる
- モニター管理やバイタル確認が必須
- 発症早期であるため、活動場面ではリスクを伴う(アクティビティというよりはベッド上での介入がメインとなりがち)
回復期病院
回復期病院は急性期病院でバイタルや症状に落ち着きがみられたけど、現状の身体機能ではゴールに達していないという方がリハビリ目的で入院されます。
患者様にもよりますが、3〜6ヶ月で退院する方がほとんどです。
「少しでも良くしたい」という気持ち高い方が職員・患者様ともに多いです。
初めに言っておきますが、技術を高めたいなら3〜5年回復期病院で必死に働いてみるのも良いかと思います。
【回復期病院で働くメリット】
- 日々の臨床業務が技術を高める場となる
- 他病院と比べて書類業務が少ない
- 家屋調査や調理訓練など自宅退院を目前にした患者様のリハビリが経験できる
【回復期病院で働くデメリット】
- 患者様自身、自分を何としても良くしたいので不満があればクレームや拒否につながる
- 他の急性期やデイサービスと比べて臨床業務の負担が大きい
(退院支援や治療など)
総合病院
総合病院は急性期から回復期、地域包括ケアや内部など様々な分野が1つの病院に集約されています。
なので、発症から退院までアプローチできるので病状を追って観察できます。
【総合病院で働くメリット】
- 新人や若手の頃は経験が増えるためかなりスキルはアップする
- 職員数が多いため、アドバイスをいただきやすい
- 院内で自分が関わりたい病期を希望できる
回復期→急性期への希望(必ずしも叶うとは限らない)
【総合病院で働くデメリット】
- 様々な分野が集約されている分、勉強量が莫大
- 自分の意向が必ずしも反映されないので、好きな場所で働けるとは限らない
精神科病院
作業療法士の方なら、精神科病院への実習は誰しもいったことがあるでしょう。
最近では理学療法士の方でも精神科で働いている方がいるようです。
【精神科病院で働くメリット】
- 給料が良い
- 作業療法士が多い
- 患者さんとのアクティビティ(パズルや手芸など)は自分も楽しい
【精神科病院で働くデメリット】
- 環境が整備されていないことが多い
- 若干のリスクを伴う
介護老人保健施設
いわゆる老健と呼ばれます。
老健では、リハビリ職員もいますがリハビリ時間自体は20分ほどの短時間です。
また超強化型老健と呼ばれるところもあります。
在宅復帰率を高めるために入所者の退院調整を進めなければいけません。
【介護老人保健施設で働くメリット】
- 感覚としては、回復期と精神科の中間で入所者様と楽しい時間を過ごせる
- 外出イベントが多く職員も同行できる
【介護老人保健施設で働くデメリット】
- リハビリの時間は少ない
- 技術は高まりにくい
特別養護老人ホーム
いわゆる特養と呼ばれる施設です。
特養では老健と比較し、よりリハビリの提供時間は少ない印象です。
リハビリを提供しても10分程度の短時間が多いでしょう。
【特養で働くメリット】
- 生活期〜終末期の患者様を見ることができる
【特養で働くデメリット】
- リハビリで関わる時間はごく短時間
デイサービス
デイサービスは自宅から通ってくる人がほとんどです。
中にはサービス付き高齢者住宅から通ってくる人がいます。
来られている人のほとんどの方が動ける方達です。
【デイサービスで働くメリット】
- 動ける人が多い
- コミュニケーションをとりながら楽しめる
【デイサービスで働くデメリット】
- マッサージ中心となりやすい
- 機能回復を目指したリハビリの提供はむずかしい
- 送迎をしなければいけないところもある
訪問リハビリ
訪問リハビリは利用者様の自宅に向かいます。
いろんな家があって、ご家族様とのコミュニケーションもとれて病院ではできないことを経験できることが唯一の特徴です。
【訪問リハビリで働くメリット】
- 在宅に特化したリハビリが可能
- 上司の目を気にせずに働くことができる
【訪問リハビリで働くデメリット】
- 車の運転を1日中しなければならない。
- 家という環境に合わせたリハビリを提供する必要がある
その他
最近では自費リハビリ施設も増えてきました。
しかし、リハビリ職が1人で立ち上げようとするのはかなり危険です。
マーケティングや市場調査ができていないとスグに店を畳むことになるので要注意してください。
また、病院によっては公務員になれるところもあります。
今後の給料UPや退職金を多くもらいたいと考えている場合は一度検討しても良いかもしれません。
今どうしても辞められない時、気持ちの整え方
気持ちが落ち込んで、私生活になんらかの支障をきたすときは仕事を辞めるときです。
あなたの人生はあなただけのものですから、我慢することはありません。
とは言っても、すぐに辞められないこともあります。
そう言ったときの対処法を紹介します。
本を読む
本を読むことは、ストレス軽減につながります。
イギリスのサセックス大学の研究では、「6分間の読書がストレスレベルを68%軽減する」という結果が出ているものもあります。
そのため、読書によるストレス軽減の効果を図りたいのであれば、6分間読書に集中すると良いのです。
たった、6分だけですので、ぜひやってみてください。
自己研鑽する
あなたが職場を変えるのであれば、自己研鑽しておいて損はありません。
自己研鑽といっても様々です。
リハビリの勉強をするのも良いですし、次の職場でコミュニケーションに困らないようにコミュニケーションの勉強をするのも良いです。
勉強は何をしても良いのでとりあえずはしておくべきです。
もし、何をやれば良いか迷った時には上でも述べた読書をお勧めします。
あなたが気になる分野の本を2〜3冊購入しパラパラっと気になるところだけ読むことで知識は必ず高まりますよ。
ウォーキング
週に2〜3回・15分のウォーキングは脂肪燃焼効果がありダイエットをしたい人は必見です。
また、自律神経を整える効果もあります。
ウォーキングのように一定の動作で行う有酸素運動は、交感神経と副交感神経のバランスを整えることが期待できます。
日々のストレス解消法が獲得できていない方は、ウォーキングによって気持ちと体を整えてください。
紙に書き出す
紙に書き出すことを億劫に感じる人は多いかもしれません。
しかし、思考が整理されて頭の中がスッキリします。
例えば、私の場合は悩み事がある場合は、25分のタイマーをセットし紙になぜ悩んでいるのか?解決方法は?などひたすら書き出します。
そうすることで、自分の頭の中が見える化するので整理しやすくなります。
よく寝る
ストレスは睡眠不足からくるものです。
睡眠不足が続くと、余計なことを考えてネガティブになりがちです。
普段から7〜8時間の睡眠をとることを心がけましょう!
また、自分が夜型人間の場合は朝型に変えてみても良いかもしれません。
私自身、以前は夜に活動していました。
しかし、Twitterを始めて朝型になったことで1日ポジティブに過ごせるようになりました。
気持ちも前向きになるので、朝活などを始めることもおすすめします。
趣味に没頭する
趣味と言っても様々です。
釣りやゴルフ、1人でできるものは漫画やアニメを見ることなどもあります。
しかし、中には趣味がない方もいらっしゃいます。
私自身、無趣味なので趣味を探すことに困りました。
私の場合は、副業に時間を投資しています。
趣味が副業というのもおかしい話ですが、自分が楽しめるものならなんでも良いと思いますよ。
まとめ
リハビリ職を辞めたいと思うことは誰しも経験することです。
その時に自分を犠牲にして我慢する必要はありません。
一番大切なのは自分自身の体です。
「この職場、無理かも」と少しでも感じたら、転職を視野に入れておきましょう。