なやむ君風船バレーってレクのイメージが強いんですけど…。 リハビリとしての意味ってあるんですか?
まこまる実は、風船バレーの本当の目的は座位バランスの向上なんだ。
なやむ君え、座位バランス?ただ打ち返すだけじゃないんですか?
まこまる風船がふわっと上がると、目で追って首が動くでしょ? そのとき、後ろにバランスを崩しやすくなるんだ。 でも、倒れないように体が自然と姿勢を保とうとする。
なやむ君しかも、それを無意識でやってるんですね…!
まこまる楽しみながら、知らないうちにバランスが鍛えられる。 ただし注意点もあるから、そこも含めて解説します。
この記事では、回復期病院で経験を積んだ作業療法士が、風船バレーを座位バランス訓練として活用する方法を解説します。
「風船バレーをただのレクで終わらせたくない」という方、ぜひ参考にしてください。
風船バレーの本当の目的
風船バレーといえば、レクの定番ですよね。
楽しいし、盛り上がるし、みんなが参加できる。
でも、それだけで終わらせるのはもったいないんです。
楽しさの裏にある狙い
風船バレーの本当の目的。
それは、座位バランスの向上です。
もちろん、楽しむことも大切です。
でも、セラピストとして意識してほしいのは、その裏にある効果。
患者さんが風船を打ち返すとき、体にはさまざまな反応が起きています。
その反応こそが、座位バランスの訓練になっているんです。
楽しんでいるだけで、バランスが鍛えられる。
これが風船バレーの最大のメリットです。
なやむ君楽しむだけでバランスが良くなるんですか?
まこまる患者さんは「訓練してる」と感じていない。 でも体は、しっかり反応してるんだよ。
首の動きがカギになる
風船バレーのポイントは、首の動きにあります。
風船がふわっと上に上がる。
そのとき、患者さんは風船を目で追いますよね。
実は、風船を目で追うより前に、首の筋肉が先に動いています。
頭を支える準備を、体が先にしているんです。
つまり、風船を見た瞬間から体幹の反応はもう始まっている。
目で追うと、自然に首が上を向きます。
首が上を向くと、重心が後ろにずれるんです。
つまり、後ろに倒れやすくなる。
でも、人間の体は倒れないように反応します。
お腹に力が入ったり、骨盤の角度が変わったりする。
この反応が、座位バランスの訓練になっているんです。
しかも、患者さんは風船に夢中になっている。
「バランスを取ろう」と意識しなくても、体が自然に反応する。
この無意識の反応が、とても大切なんです。
なやむ君首が動くだけで、そんなことが起きてるんですね。
まこまる風船を目で追う動きが、全身の反応を引き出す。 これが風船バレーのすごいところだよ。
なぜ後方に崩れるのか
ここで、もう少し詳しく解説しますね。
風船バレー中に、なぜ後ろに崩れやすくなるのか。
上を向くと重心が変わる
座った状態で上を向いてみてください。
少し後ろに倒れそうになりませんか?
これは、首を上に向けることで重心が後方に移動するからです。
風船バレーでは、風船が上に飛ぶたびにこの動きが起こります。
何度も何度も、くり返し起こる。
そのたびに、体は姿勢を保とうとします。
1回の訓練で何十回もバランスを立て直している。
これが、風船バレーの隠れた訓練効果です。
なやむ君何十回も、ですか?すごい回数ですね。
まこまるしかも、患者さんは楽しんでるから疲れにくい。 普通の座位バランス訓練を何十回もやったら、嫌になるでしょ?
体が自然に反応する
ここが一番のポイントです。
風船バレー中の姿勢の立て直しは、無意識で行われます。
「バランスを取ってください」と言われると、意識して姿勢を正します。
でも、風船に夢中になっているときは違います。
体が勝手に反応して、姿勢を保ってくれるんです。
この無意識の反応こそが、日常生活で活きるバランスです。
日常生活では、いつもバランスを意識していられません。
テレビを見ながら座る。
食事をしながら座る。
そのとき体を支えているのは、無意識の反応なんです。
風船バレーは、この無意識の反応を鍛えてくれます。
なやむ君たしかに、普段は「バランスを取ろう」なんて考えないですよね。
まこまる意識して保つバランスと、無意識に保つバランスは違う。 風船バレーの中で鍛えられるのは、日常で本当に必要なバランスなんだよ。
風船バレーのやり方
では、具体的な実施方法を解説します。
シンプルですが、いくつかポイントがあります。
準備とポジション
まず、座る環境を整えましょう。
車椅子で行う場合は、シーティングを確認してください。
端座位で行う場合は、足がしっかり床についているか確認します。
安定した座位が確保できたら、風船を準備します。
風船は、ゆっくり落ちてくるのが特徴です。
ボールと違って、急に落ちてこない。
だから、患者さんにも反応する余裕があります。
この「ゆっくりさ」が、風船バレーの良いところなんです。
なやむ君ボールだと速すぎて難しいですもんね。
まこまる風船のゆっくりした動きだからこそ、多くの方が参加できるんだ。
セラピストの立ち位置
セラピストの立ち位置は、とても大切です。
患者さんの真正面に椅子に座ることをおすすめします。
しかし、転倒・転落のリスクが考えられますよね。
風船を目で追うと、後ろに崩れやすくなると解説しました。
そのとき、転倒しても良いように患者さんの側方・後方に大きめのクッションを置いておくのです。
正面に立つと、どうしても後ろに倒れた時の対応が遅れてしまいます。
対応が遅れることは、訓練を行う上で仕方ありませんが、リスク管理を行なった上でアクティビティに取り組む必要があります。
風船を打つ相手
風船バレーは、相手がいるからこそ楽しい。
セラピストが相手をすることが一番だと思います。
複数人で行うと、風船が予想外の方向に飛ぶことがあります。
横に飛んだ風船を追いかけることで、左右のバランスも鍛えられます。
1対1なら、セラピストが風船の高さや方向をコントロールできます。
高めに打てば、より首が上を向く。
低めに打てば、前方へのリーチが求められる。
目的に合わせて、風船のコントロールを工夫してみてください。
なやむ君セラピストが風船の打ち方を変えるだけで、訓練の内容が変わるんですね。
まこまるそう、セラピストの一打で、訓練の質が変わるんだよ。
注意点を押さえよう
風船バレーは楽しい訓練です。
だからこそ、注意点をしっかり押さえておきましょう。
転倒・転落に注意
風船バレーの最大のリスクは、転倒・転落です。
風船に夢中になりすぎて、体が大きく傾いてしまう方がいます。
車椅子から身を乗り出してしまうこともあります。
楽しいからこそ、周りが見えなくなる。
これは仕方のないことです。
だからこそ、セラピストの見守りが大切になります。
とくに注意が必要なのは、以下のような方です。
体幹の筋力が弱い方は、崩れたときに自力で戻れない。
高次脳機能障害がある方は、リスクへの認識が薄い場合がある。
こうした方には、より近い位置で見守りましょう。
楽しいからこそ、危険もあるんですね。
楽しさと安全は、セットで考えないといけないんだ。
対象者を見きわめる
風船バレーは多くの方に使えますが、全員に適しているわけではありません。
座位が著しく不安定な方には、リスクが高すぎます。
まずは座位バランスの評価を行い、安全に実施できるか判断しましょう。
また、風船が顔の近くに飛ぶと、驚いて大きくのけぞる方もいます。
最初は風船をゆるく打って、反応を見ることが大切です。
いきなり全力で打ち合う必要はありません。
やさしいラリーから始めて、少しずつ活発にしていく。
この段階的な進め方が、安全につながります。
なやむ君最初から激しくやらないのが大事ですね。
まこまる患者さんの反応を見ながら、少しずつ強度を上げていこう。
まとめ
今回は、風船バレーを座位バランス訓練として活用する方法を解説しました。
ポイントのおさらい
- 風船バレーの目的は座位バランスの向上
- 風船を目で追うと首が動き、後方に崩れやすくなる
- 倒れないように体が自然と反応する
- この無意識の反応が、日常で活きるバランスを鍛える
- 転倒・転落には十分注意する
風船バレーは、ただのレクではありません。
楽しみながら、座位バランスを鍛えられる優れた訓練です。
患者さんの笑顔を引き出しながら、しっかり効果を出していきましょう。
なやむ君風船バレーって、こんなに奥が深かったんですね。 明日から、目的を意識して取り組んでみます。
まこまる大事なのは、セラピスト自身も楽しむこと。 一緒に楽しんでいる姿が、患者さんの笑顔をつくるからね。
FAQ
- 風船のサイズはどれくらいがいいですか?
A:直径30cm程度の一般的な風船がおすすめです。大きすぎると見えにくく、小さすぎると打ちにくくなります。膨らませ具合でスピードも調整できますよ。
- 車椅子と端座位、どちらで行うべきですか?
患者さんの座位バランスに合わせて選びましょう。不安定な方は車椅子で、ある程度安定している方は端座位で行うとより効果的です。
- 何分くらい続ければいいですか?
10〜15分程度を目安にしてください。患者さんが疲れた様子を見せたら、早めに切り上げましょう。「もっとやりたい」と思ってもらえる程度がちょうどいいです。
- 上肢機能の訓練にもなりますか?
風船を打ち返す動きは、上肢のリーチ動作にもつながります。ただし、この記事では座位バランスの向上を主目的として解説しています。上肢機能訓練を目的にするなら、別の方法と組み合わせることをおすすめします。
- デイケアのレクとしても使えますか?
もちろん使えます。複数人で行うとレクとして盛り上がりつつ、座位バランスの訓練にもなります。セラピストが目的を意識して関わることで、ただのレクが訓練に変わります。




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