【リハビリ】手洗いは立派な訓練!OT直伝の介入ポイント

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手洗いは日常生活の一部です。
なやむ君

まこまるさん、麻痺した手ってなかなか洗えないですよね。

まこまる

そうなんだよね。 特に脳梗塞の患者さんは、麻痺側の手を意識しにくいことが多い。

なやむ君

半側空間無視があると、なおさらですよね。

まこまる

だからこそ、リハビリの中で手洗いを取り入れるんだ。

なやむ君

手洗いがリハビリになるんですか?

まこまる

なるよ! しかもお湯を使えば、緊張の高い手がゆるみやすくなる。

この記事では、手洗いを活用した麻痺手への介入を解説します。

「清潔」と「機能改善」を両立できる方法、ぜひ参考にしてください。

目次

なぜ手洗いなのか?

脳梗塞を発症した患者さんの多くは、麻痺側の手を自己管理するよう求められます。

でも実際には、自分で洗うことが難しいケースがほとんどです。

手洗いは、そんな患者さんへの介入として有効な方法なんです。

自分で洗えない理由

麻痺側の手を自分で洗えない理由は、運動麻痺だけではありません。

半側空間無視がある場合、麻痺側の空間自体に注意が向きにくくなります。

「手がそこにある」ことに気づきにくいんですね。

さらに半側身体失認を併発していると、自分の体の一部として認識しづらくなります。

「この手は自分のものじゃない気がする」という感覚を訴える方もいます。

こうした背景があると、いくら「自分で洗ってね」と伝えても難しいのです。

なやむ君

認識の問題もあるから、声かけだけでは解決しないのか…

まこまる

セラピストと一緒に洗うことで、麻痺側への意識づけにもなるよ。

清潔が一番大事

手洗い介入で最も大切なポイント。

それは手をキレイにすることです。

「指の可動域が〜」「手関節の角度が〜」とか、手洗い中は考えません。

機能訓練としての要素は、あくまでおまけです。

まずは清潔を保つこと。これが第一の目的になります。

麻痺した手は汗をかきやすく、握り込んだままだと不衛生になりがちです。

爪の間や指の股など、汚れがたまりやすい場所もあります。

キレイに洗うことで、皮膚トラブルの予防にもつながりますよ。

なやむ君

つい「訓練」として考えちゃいがちですけど…。

まこまる

シンプルに「手をキレイにしましょう」でいいんだよ。そのほうが抵抗感も少ないよね。

手洗い介入の流れ

では、実際にどうやって手洗いを取り入れるのか。

リハビリの中での流れを紹介します。

訓練後の自然な導入

私が回復期で行っていた流れはこうです。

  • まず上肢・肩甲骨の介入を行う
  • 新聞紙などを使った机上課題を少し実施
  • 帰室前に「手が汚れたので洗いますか?」と声を掛ける
  • 洗面所へ移動して手洗い

    ポイントは自然な流れで導入すること。

    「手洗い訓練をします」と言うと、身構えてしまう患者さんもいます。

    でも「手を洗ってから戻りましょうか」なら、日常の延長として受け入れやすいですよね。

    リハビリ後に汗をかいていることも多いので、タイミングとしても自然です。

    なやむ君

    日常動作として声かけするのがコツなんですね。

    まこまる

    患者さんにとっては「手を洗う」というシンプルな行為。でも、セラピストとしては、手へのアプローチができる。

    対象者の目安

    手洗い介入の対象者について。

    Brsなどの明確な基準は設けていませんでした。

    蛇口に手が届けばOK。これがシンプルな目安です。

    弛緩性麻痺の方でも、痙性が高い方でも対象になります。

    ただし、上肢の緊張が強すぎて蛇口まで手が届かない場合はNGです。

    無理に行うと、肩や肘に疼痛を誘発するリスクがあるからです。

    届きそうで届かない場合は、洗面台の高さを調整できないか検討してみましょう。

    手洗いのポイント

    ここからは、具体的な手洗いのポイントを解説します。

    お湯を使う理由

    手洗いには水よりもお湯がおすすめです。

    なぜなら、温かいお湯は筋緊張を和らげる効果があるから。

    特に手の緊張が高い患者さんでは、即時的な効果を実感しやすいです。

    冬場に冷たい水だと、かえって緊張が高まってしまうこともあります。

    お湯の温度は、ぬるめの38〜40度くらいが目安です。

    熱すぎると火傷のリスクがあるので、事前に温度を確認しましょう。

    なやむ君

    お湯を使うだけで緊張がゆるむんですね。

    まこまる

    患者さんも「気持ちいい」と感じてくれることが多いね。

    石鹸で丁寧に洗う

    手洗いには石鹸やハンドソープを使います。

    泡立てながら洗うことで、汚れをしっかり落とせます。

    洗う時間の目安は5分程度

    急がず、丁寧に洗いましょう。

    特に意識したい場所はこちら。

    • 手のひら全体
    • 指の間
    • 爪の周り
    • 手首

    麻痺側の手は握り込んでいることが多いので、指を1本ずつ開きながら洗います。

    無理に開こうとせず、お湯で温めながらゆっくり行うのがコツです。

    まこまる

    洗った後は、タオルで拭いてあげることがおすすめです。

    手浴への展開

    手洗いに慣れてきたら、手浴へ展開することもできます。

    お湯+マッサージ

    手浴とは、洗面器などにお湯をためて手をつける方法です。

    手洗いの延長として自然に導入できます。

    やり方は簡単。

    • 洗面器or清潔な洗面台にぬるめのお湯をためる
    • 麻痺側の手をお湯につける
    • 湯につけた状態で手のマッサージを行う

      お湯の温かさで筋緊張がゆるみ、手がひらきやすくなります。

      緊張の高い手も、少しずつほぐれてきますよ。

      なやむ君

      手浴って、なんだか気持ちよさそうですね。

      まこまる

      患者さんからも好評だよ。「手がぽかぽかする」「指が動かしやすくなった」という声も多いね。

      乾燥対策

      手洗いや手浴のあとは、乾燥対策をしても良いかもしれません。

      冬場は、洗ったあとに手が乾燥しやすくなります。

      乾燥が続くと手荒れにつながり、ひび割れやかゆみの原因にもなります。

      対策としては、洗ったあとにハンドクリームを塗ること。

      保湿することで、皮膚トラブルを予防できます。

      ハンドクリームを塗る動作自体も、麻痺側への意識づけになりますよ。

      患者さんの好みの香りを選んでもらうと、気分転換にもなります。

      なやむ君

      洗うだけじゃなくて、そのあとのケアも大事なんですね。

      まこまる

      清潔にしたあとは、保湿までセットで考えよう。

      まとめ

      今回は、手洗いを活用した麻痺手ケアについて解説しました。

      ポイントをおさらい

      • 手洗いの目的は「手をキレイにすること」
      • お湯を使うと筋緊張がゆるみやすい
      • 手浴に展開すれば、さらに効果UP
      • 洗ったあとは乾燥対策を忘れずに

        手洗いは、清潔ケアと機能改善を両立できる介入方法です。

        特別な道具も必要なく、日常の延長として取り入れられます。

        ぜひ明日からの臨床で試してみてくださいね。

        FAQ

        手洗いは毎回のリハビリで行うべきですか?

        毎回でなくても大丈夫です。患者さんの状態やリハビリの内容に合わせて取り入れましょう。週に数回でも、効果は見られると思います。

        弛緩性麻痺の方にも手洗いは有効ですか?

        有効です。弛緩性麻痺の方は手が開きやすいので、洗いやすい場合もあります。清潔を保つことで皮膚トラブルの予防にもなります。

        手浴の時間はどれくらいが目安ですか?

        5〜10分程度が目安です。長すぎると皮膚がふやけてしまうので、様子を見ながら調整してください。

        お湯の温度は何度くらいがいいですか?

        38〜40度くらいのぬるめが目安です。熱すぎると火傷のリスクがあるため、事前に必ず温度を確認しましょう。

        ハンドクリームは必ず使うべきですか?

        必須ではありませんが、乾燥が気になる場合はおすすめです。特に冬場は手荒れしやすいので、保湿ケアを取り入れると良いでしょう。

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